石川文洋を旅する

コメント

高畑 勲(アニメーション映画監督)

今、あらゆる手を使って戦争する国へと舵を切ろうとする連中がいる。
こんな妄動は一つ一つきっぱりと拒否しなければならぬ。
そのための火を、この映画はじわりとかき立てる。
ヴェトナムから沖縄へと、あらためて石川文洋を、じっくり旅しようではないか。

石井光太(ノンフィクション作家)

「軍隊は戦争の抑止力になりえるのか」
いまの日本の国防の問題の根幹には、常にこの議論がある。
石川はその問いについても、自らの経験から言葉を発する。
彼が戦場で見たものは何だったのか。そこからどういう意見を発したのか。
あえてここで答えを書く必要はないだろう。
映画を観れば、石川が自身の体験から明確な解答を示しているからだ。

亀山 亮(写真家)

戦争そのものを鷲掴みにする様に命を賭して撮影されたベトナムの写真群は
普遍的で圧倒的な強いイメージを現在も持ち続けている。
この映画を見て「肌にしみ込んだ戦争の知り方」が
戦争体験者の減少で「他者への想像」の欠落となって
闇の歴史へと自分達が無意識の内に逆行していることに気づかされる。

纐纈あや(映画監督『祝の島』『ある精肉店のはなし』)

この映画は、過去から現在までの石川文洋その人の〝ことば〟をめぐる旅でもある。
最も過酷な戦場に立ち続けた彼が紡いだひとこと――「軍隊がいるから戦争になる」という真実を今、深く受け止めたい。
この旅が、日本への楔となることを心から願って。

ドリアン助川(作家/道化師)

世界の本当の姿を撮り続け、痛みある者にいつも寄りそい、
青春の正体は旅であることを自らの足取りで教えてくれる写真家、石川文洋。
彼と呼吸をともにするこのドキュメントは図抜けて傑作である。
今夜は眠れない。

植野隆司(テニスコーツ)

映されたシーン、写真や石川さんの表情、言葉、
他に登場する人達の表情、言葉が心の奥のほうに響いてくる。
色々な感情が揺すられるけど言葉にならない。
そして見終わった後、強くて優しい光をもらったような気がした。
僕の人生の今後に強い影響を与える映画でした。
出会えて本当に良かったです

さや(テニスコーツ)

すべては繋がっている、違う世界の話なんかじゃない。
戦いはまずここにある、向こうにも。
石川さんにはなれないけれど、笑顔で!
何をすればいいか、というよりも、ちゃんと生きなくちゃ。

三上智恵(『標的の村』監督)

ベトナム戦争と沖縄は
同じ時空だったこと
高江に枯葉剤を撒き
やんばるの森で実弾に慣れて
翌日に同じことをベトナムでする
アメリカの戦場と沖縄は
常に表裏一体という実感が
スクリーンからダイレクトに伝わる